lyrics


 霞 桜 

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

いつまでも同じような道

いくつまでも同じような痛みでは

僕らは今を愛せない

流れ出す涙を分け合うあなたとなら

叶え忘れた夢の続き追う無畏遺体

 

夕闇が迫る 豪雨

自問 行き先なんて分からない

偽りの始まりなんだよ 解を見定める考察牢

長い夜を積み重ね 確かにここまで来たよ

明日さえ見えぬほど遠い その距離が奴の正体

 

六道並行 自滅 後遺症 名前さえ奪われ

置き去りの強さも見紛った 偽物の未来は暗い

自責も後悔も革命前夜に雪崩れ込め

掴んで離すな その陰は最後の光だ

 

このまま何処か遠く消えてしまいたいと

願う強さは

君と初めて出会ったあの団地の星の影に

今も咲いては散る 霞桜と同じように

向かえ 叫び続けた日々の病熱一つを

霊街に灯して

 

 

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 虹 瀑 

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

言い逃れと自虐で撒いた

別れ際に後悔も未来も無く

あの日の僕ら既に 三つ数えだしていたんだよ

偽り 痛み 互い違い乗り継ぎ 遺灰 流る間に

かつての寝息は浮かぶ雲

零戦みたいな赤い苦悩

 

くだらねぇんだよ

明日目が覚める頃には

覚悟も自決 背水 迫る生活の果て

そういう世界なら

こんな悪い夢さえ 奴を加速させるように

仕組まれていたんだよ

 

忘れはしない

威光≒花芽 背の樹海に舞う鼓動以外は

神を試すなかれ

不甲斐無い 肥大世界を仇に

どの道今夜拐われるなら 心中 倦怠の藍

偽り射止めずに 死んではならない

 

もし今一つ願いが叶うとすれば

それは破壊だろうか 故に再生の夜明けなのか

話せない 動かない

だとしても奴はこの世界に辿り着けはしない

僕らがその答えを自ら両手に 描き出すまでは

 

遺されたパース 誓書 晩年で染め上げる

どうしようもなく無様で非常な延命法

明日へ問いかける「君には出来るか」

虹瀑の夜へ せめて今 言葉で叫ぶよ

 

忘れはしない

罪とは背の無償に鳴らす鼓動以外だ

奴を引き吊り上げ 不甲斐無い肥大世界の先へ

だから全部あげるよ 敗北 挫折

僕のものじゃない せめての強さも

 

忘れはしない

一切の夕立が触れた静寂と 描いた始まり

既に僕らもうこの世界に居ない

居ない居ない居ない

言い訳を永遠に繰り返す 独り

君のくれた光だけは 消えないように

 

 

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 革命前夜の悪夢街 

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

君の一言は

遠い星の沙漠に埋没した機関車で

8月が幻想の果てで目を覚ましたよ

大量の銃器が風をフォノトグラフに

青い酔いの仲 二人で描いた向日葵を唄えば

踏切ネオンは星河 どうせ生き延びたって

夜は僕ら土砂降りの雨だ

 

ねぇ

 

これは走馬灯だ 一隻の暴虐問うアストラル

落葉が水面浮かぶ 月と同化する

故郷は遠い記憶 徘徊の16号線さえ

離れ離れ 拘束に泣いた

奴らより潜れる僕らは 黒い魂なんて知らずに

死ぬか生きるかの夜が綺麗だ

これでさようなら 教誨河川の章

羽渡り未届の悪夢街

 

この絶望が終わったら

君は何事も無く僕に別れを告げる

それが夢の一番の幸せ

「戦いは嫌いじゃないよ」

なんて言いながら 車弾を漕ぐたび

夏の夜が 僕らと同化する

 

寝静まる午前2時のオレンジを 駆け抜けようぜ

銃口を僕の背に 押し当てろ

「飛べないはずがないだろ」

離脱までの宇宙飛行 僕らの旅路延ばす鼓動

独りでは聴こえない

ほら 自分さえ居ない世界では

 

目が覚めたら "思い出も消えてる" か

始まりはいつも鮮血と涙

明日の色選ぶ術を知っていた僕ら

昨日電車に飛び込んだ未来の青年芸術家

世界自体生きていない あの夜からは独り言

 

背に宿る日々は どうせ誰も話し合えない

それでいい

 

結局 報われる争いは無くて

列の最後尾で戦う僕らは自暴 無謀

武器を捨て 自決を廻送

どうせやるなら 始まりの鐘を鳴らしたい

無論 死際出会えた塵溜河川の章

孤独と孤独で迷彩の抵抗を

影の在る世界へ

 

全部壊れちゃったよって

君の声が背中を突き抜けたんだよ

なぁ どこまでも行こう それがいい

戦いは嫌いじゃないよ

使命じゃなく存在の共鳴とすれば 必然の孤独

 

だから 悲しみだけは消えないで

フォーヴィスム サーチライト 徘徊と向日葵

これがそうだ 一番目の街

絶対に忘れない真夏の幻想

君の夢と生還を果たす旅

大きな空白の銅が 命が 長い風が

確かに吹いて 声を飛ばして 最後の夜が僕らと同化する

 

どうせならば 星空の向こうへ

 

 

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 在 π 言 

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

盲導的エゴ未来焼却を促し

公争 恃傷 縋るディスノミア 合法剤

「どうでもいい」とよぎる艦艇は

自決後の新たな自覚 相模からバラック

胸糞悪い箸や木偶に当たらぬように

どこまでも見下ろす者は

心中のみ という未来を

誰一人考えてはいない世界に 火をつけろ

 

誰のみぞ知る焔硝美 涙状括り足手纏い

平謝りではつかぬ一切の取り返し

例え現実に証言を拒まれようと

前進で灰となれ これが夢ならば

 

痛みは全部孵す 優劣に明日は宿らず

諦め 果ての自暴はかつての怒り羽化させる

鏡の先で 夏の陽射しで 堕ち合える

共に選んだ強さは幻想

迷える弱さでありアルゴン

 

 

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 地 獄 へ の 扉 

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

心の殻を割らずに誰かに縋ろうとしても

明日に期待するだけの今日は

噛み切れないってさ

僕は迷わず叩き割り 独り言運ぶだけ

誰一人愛する事許されない宇宙

 

自他同一 四六時中 革命前夜

ルビ明かせば群がり

容易く巻かれた距離と時空

それでも僕ら 信じた人達を心に連れ立って

乗り越える最悪を

孤独の二文字で片付けること出来ない

 

目には視えぬ目に映る 希望の争点

この世に薄着のプライド放って

綱渡り明海 全夜装填

脈打つ鼓動にのみ従え

奪われた命の解まで 駆け抜ける事諦め

投げ出す孤独 と言う名の 地獄への扉

 

ねぇどうして 教えて その傷の意味は何

ズタズタになっても笑っている

「君は世界一偉い」と 金も身体も奪い去って

何事もなかったように消えてゆく

そんな夢に生きる街で

目を覚ました 夜は綺麗だが

 

この星には居場所無い

第一存在自体 不義理

喰らう詰め 剥ぎ 悪い夢の中じゃ

賭けるべき命だけを歌えずに

抜け出せないしがらみ 互い違いの弱さ

遂に出会えたと思った矢先の霹靂を 共に明かせる

 

目には視えぬ目に映る 希望の蒼天

ここでは薄着じゃ辛いが当然

綱渡り 瀕死でも行く背には 翅が光る

奪われた命の分まで

駆け抜ける事選ぶ君に 宿る神とはつまり

 

目には視えぬ目に映る 希望の肯定

閉ざされかけた奇跡背負って

僕ら何度でも向き合ってみせる

正しき願いに世界を変える鼓動

奪われた命を鳴らし駆け抜ける

僕らを見ている者は 街でも国でもない

願う 明るい方へ

壊れた世界は 心の形と同じだ

 

それだけを

孤独の愚痴にすればよかったよ

 

 

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 アゴラ∴フォビア 

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

今日生きる事を誓い

明日にまた死を想い描く

誰もが苦しみを美徳と信じ

その結末を知る者は居ない

どこまで走れば笑い合える

誰一人居ない風景

壊れた世界 鏡張りの命で

 

“明けぬ夜は一つだって無い”と

沈む夕陽を前に立ち尽くす日々

一光年の悪夢へ 錆びていった

自尊心と言う名の銃口に

社会性だ希死念慮だ

非現実ばかり溜め込んだ僕の加害者

震える指先で一発 腕を振り落とし

自問自答の果て 火を放ったよ

 

杪夏の風にこの身を委ね

見慣れた街から見知らぬ星へ

非銭 シラフに乞フ 督促状

失くした自我は払い戻せない

 

絶えず言葉は幻想

イエス 殺生 堕落 マリア

履き違えた悦の末路 全世界焼け野ケ原

未来に期待する気力はもう無くていい

罪と罰に埋もれ 伊邪那美 黄泉比良坂

終わりなき旅路を走る

後悔なき人生を歌え

 

燃え盛る鼓動抱いた

 

 

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『 リア・スピノザ 』

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

もうやる気ないよ そう言い遺して

上出来の悪夢に眠り落ちる

囀る鶩を誘う モルタル コンクリート

誰一人も君を救える者が居ない

街は能無しの回路 弱くて苦い

無知な上位と 脳裏が確かに焼ける音

もしこれが現実なら この世はスピノザ

 

互いを透聴してる間に

気の触れた時代が過ぎ去った

じき夜明けが迫る 強い者だけに

スピノザ 既に僕ら無理心中同然だ

なら言葉を変えればいい

君と人生の二人

 

どうしても抜け出せない自由をいっそ離れ

過ぎ行く日々を誰もが試してる

諦めを抱えた手をそっと解いて

正しさで塗り潰せる あなたを探してた

 

僕ら次の世界へ行くんだよ

それを全て言い訳にしてくれないか

ただ一つ 不確かな夜明けの群れを

殺しに行く為の

 

白日を評決の悪夢へ描き出すには

起死回生の鼓動 無人の港

汽笛はここだ

 

 

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 ファイヴ・エイチ・ティ 』

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

過ぎ去ってしまった陽の後悔で

想像に難い洞 賽の無いジレンマ症

時代に言いがかり せん妄な意識と堕ちて独り

喰らっちまえば安楽と終身

ブレインフォグ 都市のビルを見上げ

高利貸し 附けの果て 精神界

その先で描けよ 鯱のバイパス

 

言葉じゃ解けない争い事には

熱帯びた不可視の銃器

神々じゃなく暴力でもない それは何だ

生かした己に定めろ どこにも邪魔は居ない

底無しの 彫刻 冥利

生きて帰れさえすれば見える

死際震えた夢の中

 

投げ出した命が追い風に

誰も居ない夜を越えて行くのは

終わりを願う千光年が君で

弱さ一つ 孤高へ連れ去る距離

この受容 対する世界へ叫ぶ

永遠の今日に犯されようが

僕らの願いは螺旋だ 二重の自決で

穿つは時代 星河に応答して

 

病床 打ち拉がれ

不可侵的領空に問いかける 希死の綾が

何度も視界を鏡 打ち付ける

銀河に 第二次の世界に

愛は既に管制下

僕らの部屋に招く余地などは無い

それに従う自己愛も身を寄せる絶望

道徳も器量 どいつもこいつも殺してしまえ

 

過ぎ去ってしまった日々の後悔で同調し

洗い出した幸福 不可視の暴力

原子の優劣に 彷徨う星落に振り翳す 白と赤

それも道連れにして

 

投げ出した命が追い風に

誰も居ない夜 僕らは出会った

終わりを願う事は弱さじゃなく

信じた自分が 背後で 今を睨んでいる

 

世界は 望まぬ今日に犯され眠れず

梲 勘繰り ガイアの遺灰

抱えた闇一つ 口説けぬか

 

この命さえも繋げずに

あなたに向き合う覚悟は暗い

次の世界なんてどこにも無いぜ

僕らの居場所はここだけでよかった

冥 受容 解 無重力洞

零に描くまで 永遠の今日に選ばれた世界

「絶えず怒りが無価値で痛い」

だが殴るべき弱さを乗り越えるだろう

空白を脈動に変えた 馬鹿な後悔を

明日に遺して

 

 

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 ラ ン ダ ー 』

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

夜空に踊り舞う雪が湯冷めた心に溶けた

思い出すのはいつかの銀河

二人の幼い笑顔

叶うはずもない夢と僕らの期待を背負い

歩き出すのはいつかの銀河

呆れ顔の君が優しい

思い描いた未来はもう来なくていいよ

ただ あの日の続きを終わらせないように

いつまでも汚れきった河川 旅立ちを迷う白鷺は

やがて吹雪の中 自ら翼に火を放つ

 

ねぇ 今さら黒い世界に命を賭して

ランダー もう二度と会えない君に叫ぶ

僕らはずっと記憶の彼方 誰にも邪魔させはしない

背中合わせ雪空を繋いだ

 

嗚呼もう何年も同じような管巻いた病月を

馬鹿みたいに抱え過去に縋り付いてる

信じたいよ

"歩んだ道が何一つ嘘じゃなかった"

そうだろ

この命を賭しても

 

ほら綺麗だろう 瓦礫みたいな雪の墓地だ

ランダー 今なら君に言える

僕らはずっと記憶の彼方 誰にも邪魔させはしない

背中合わせ雪空を繋いだ

 

どこまでも どこまでも

旅路を辿れ 幼きランダー

いつまでも いつまでも

銀河に埋もれていたい 叶うのなら

 

 

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 紫 煙 を 抱 い て 』

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

いち深海心理は五畳紫煙

鬱喰らい薄暗い 流行に苦笑

午前四時 急旋回する脳天に

俯瞰気取る自我は逆再生のファンタズム

こんなくだらねぇ人生に灯してくれた

いくつかの火を抱きしめ 進む地下道

私は無駄口塗り潰したゲルニカ

杪夏の如し 冷静が情熱を射抜いた

 

ライブリーク この精神と時の星から

届けたい どうか最期の日までに間に合え

戻したい後悔 落としたいロー/ハイ

差し出せぬ善に問う もう手遅れだろうか

無意識の群れが君を死の淵に追いやる

その群れを束ねる神を殺してみないか

たった一度の過ちでいい

過ちを探せ

過ちを探せ

 

ちょっと待て お前今なんて言った

手前の身分一つも弁えらんねぇのか

分かってますよ この通り

娯楽を破棄 サラ金にシュート

被害者不在じゃないですか

そんな事よりも行ってみたいと思いませんか

夢の先に待つスリルの先のユートピア

温かい布団に温かい栄光

それを正気と呼ぶには矛盾だらけの****

 

ライブリーク この話は誰にもするな

届けたい 一線越え 始まりの日へタイムリープ

有限大将来 遺棄死体の容態

古された獣道に垂直の自由を

無意識の群れが君を死の淵に追いやる

その群れに居座る神を説得してみないか

たった一度の過ちでいい

過ちを探せ

過ちを探せ

 

 

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世 界 没 落 』

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

「もういいだろう、これ以上変わらない」

説き伏せるように 薄ら笑う街の影は暗い

人格のハイウェイ オフィスは狭い

死傘伝い 月の匂い

朝焼けに届きはしない

 

なぁ聴いてくれよ 今宵 世界没落 最低なメロディ

なんて言えば聞こえは良いかもしれないな

大体 正しさばかり求める奴らに咽ぶ殺意の「意」は

全てがお前の自信の無さで描いた希死だろう

 

便所に散らばる果実の苦み

詩片で流星と化した埼京線

もうどうにでもなれ 発車のベル 脈打つ鼓動

人混み流され宇田川手前 左折の秒針

「さぁ行けよ」

記憶にしがみ付いた全身の細胞が今

この街を飲み込む前に

 

さようなら世界 今さら用は無い

そんな目で俺を見ないでくれよ

なぁ 自ら選んだこの道が間違いだったなら

あの日の未来を抱いて眠るまで

朝陽は来ないで

 

脳天に白羽の矢

共に晴らすと誓い合ったはずだった 生い立ちこそ悪夢の脅威

見ろ 全社会背を向け素通り

ここは貧弱で誤魔化すか

いや むしろ死んで詫びてみろ

今さら輪廻を纏い 僕等はどんな偽善で向き合えばいい

 

平日の鏡で顔を塞いで

虫の息を止め 白昼が罰に染め上がる

債務整理 永久労働 難聴 眠剤 うるせぇな

終わらせてやりてぇ 最早意味も価値もねぇが

これがそうじゃなけりゃ一体何が真実だ

目に余る悲しみに背を向けた時代が

 

さようなら世界 今さら用は無い

そんな目で心開いてくれよ

なぁ 自ら選んだこの道が間違いだとしても

今宵 世界没落 まだ朝陽は

 

さようなら世界 今さら用は無い

説き伏せるように独り歌う 死傘伝い

「ここに居るんだ」

忘れたい幾千の最低なメロディ

それさえ全て背負えばまた

耳を塞いだ街の陰を背に 独り歩き出すんだ

今宵 世界没落 まだ朝陽は来ないで

 

 

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『 廃 墟 団 地 』

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

翌朝、君が先にこの団地を出ると

二日酔いの鉛を引きずるように

僕はエンターキーに手を伸ばした

樹林が生い茂った廃墟 .png 捲り巡り眺め

 

「北欧だろうか」

僕は暫し静寂の旅を続ける

 

社会から道を踏み外した僕の末路に

どうやらこの廃墟団地は眩し過ぎるようで

耐え切れず

腐りかけのリキュールを一口流し込む

するとさっきまで戯けていた君が

急に肩を落として小さくなってしまった

真夏のシャボン玉に埋もれ

君がみるみる小さくなっていく

 

僕が抱きしめたって君は首を傾げるばかりだ

手紙の筆跡 喘ぎ声 布団の血液

三途の下流 風に揺れたブルーシート

僕達の体はグチャグチャに混ざり合って

何もかも溶け出して

それは奇跡という名前で

この街の夕焼けに化けた巨人だ

 

気付いたら僕は眠っていて

優しい悪夢の中 虹色の耳鳴りがして

あの日と同じ昼下がり

誰も居ない真っ白な星落

バラバラになった過去の胴体を

君と2人 今もう一度繫ぎ直すように

 

今もう一度 

繫ぎ直すように

 

 

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『バイタルサイン』

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

「いつかきっとまた会えるさ」

それが最後の言葉

始発のアルタ前に今日もまた陽が昇り始めた

同じ景色にしても 目前に迫る終末の夜明け

語った夢や希望なら随分前の話でさ

 

重いビル風に苛立ち 罪なき花を蹴り上げた

どうしてここに立ち続けるのか

あぁ耳鳴りで吐きそうになる

結局自分の為なのか 奴らを見返す為なのか

考え出したらキリが無いが

気付けば死なない言い訳を探して立ち尽くしてる

 

ただ独り暗い世界にたった一隻の空白を前に

“いやこんなもんじゃねぇ…”と

僕は才能に刃を突き立てる

無邪気なあの子の横顔 背を押した仲間の言葉

全部がめちゃくちゃになって

この身ごと引きずる海で

 

明日を恐れ 昨日を恐れ

世界を恐れ 自分を恐れ

突き放した居場所が後悔に変わり襲いかかる

バイタルサインは

不穏な旋律で暗闇を泳ぎ続ける

その残光が描くのは夢だけ

 

「明日きっとまた会えるから」

そういう無責任な言葉

僕らはいつも始まりを見失ってしまうから

じゃあどうしてあの時目前の幸せも抱きしめられなかった

終わりを越えて数えるんだ この手に余る残骸達を

怒り 憎しみ 悲しみ

挫折に膝を落としたあの日

僕らは青春の夜明けを拐い明日さえも見失った

今さら正義も理屈もない

なら聖火を灯せ

暗闇を這いずる絶望 それだけでいい

 

明日を恐れ 昨日を恐れ

世界を恐れ 自分を恐れ

突き放した居場所が後悔に変わり襲いかかる

バイタルサインは

不穏な旋律で暗闇を泳ぎ続ける

その残光が描くのは夢だけ

 

足を滑らせて僕は僕に落ちる

抜け殻の情熱 壊れた心 無色の涙 霞む世界に

油彩画みたいな暮石の群青

行旅死亡人 自殺企図

生きる事 それが死との対峙なら

暗闇を這いずる絶望

その先にある確かな希望

 

明日を恐れ 昨日を恐れ

世界を恐れ 自分を恐れ

突き放した居場所が後悔に変わり襲いかかる

バイタルサインは

不穏な旋律で暗闇を泳ぎ続ける

自ら命を引きずるこの海で

 

その残光が描くのは夢だけ

 

 

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『嵐の夜に』

詩・曲=KUROI  HAKU

 

 

敗れ去った過去に価値など無く 不確かな日々はただ続いていく

それでも僕らは命が消えてしまう前に

独り旅立てるか 嵐の夜に

 

人生は儚く短い 有限 故に芸術的

抱き合う愛さえ命のパロディ

分かり切った過ちも恐れぬ馬鹿

いつか世界を変えると信じ生きるのも悪くないな

 

社会に潰されどこにも居場所は無い

孤独で満ちた嵐を前に

死にてぇと嘆くのは誰の所為でもなく

「向かうべき真の敵」それが“自分自身”なら

旅立てよ今

 

光の無い嵐の中 逆らって繋いできた夜明けを

離して 失って 掴む自分らしさが

明日を疑心でも金でもなく命に変える

 

酒に酔い潰れて殴り合ったアイツと朝まで夢を語り合ったこと

諦めてしまえば全部無駄になる過去

そう言って消えていった天国のあの人

二度と帰らぬ思い出だけ

気付けば世界はそれだけだった

何一つと失う物など無い今なら

全てを取り戻せるんじゃないか

 

痛みの無い嵐の中 馴れ合いで繋いでくるな 夜明よ

抱き寄せ 揺らいで 浸かる幸せなんて

ガソリン撒いて ほら燃やしてしまえ

光の無い世界の中 逆らって繋いできた夜明けを

離して 失って 何度でも立ち向かう

もう二度と夢を終わらせぬように

 

喪失の果てに命が咲く 今嵐の夜に

 

 

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